探偵の探偵
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- ¥650
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発行者による作品情報
調査会社スマ・リサーチが併設する探偵学校スマPIスクールに、笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。探偵のすべてを知りたい、しかし探偵にはなりたくない、という玲奈、なぜ彼女は探偵学校に入校したのか? スマ・リサーチの社長・須磨康臣は、彼女の驚くべき過去をつきとめる。須磨は玲奈の希望を鑑み「対探偵課」を設けた。紗崎玲奈はひとり、悪徳探偵を追う“対探偵課探偵”となった。
APPLE BOOKSのレビュー
シンプルだが二度見してしまう意味深なタイトルが、一気に社会の裏事情へと引き込むハードボイルド『探偵の探偵』。人気ミステリー作家の松岡圭祐が主人公にしたのは、抱えきれないほどの悲しみに人生を激変させられた少女、紗崎玲奈。500万円近い授業料を払い、探偵養成所で2年間学ぶことを選んだはずなのに、探偵にはならないと宣言する。大学進学の道を捨て、探偵養成所に入所した玲奈の胸に宿るのは、ある事件をきっかけに大事な人を亡くす理由となった探偵という仕事への復讐(ふくしゅう)だった。殺人犯を名指しする謎解き探偵はフィクションの世界。現実社会の探偵とは行動調査がメインだと前置きした上で、悪徳探偵をつぶす「対探偵課」所属の探偵になった玲奈のリベンジがスタートする。2007年に探偵業法が施行されたが、この作品をきっかけに探偵業の倫理を考えさせられる。本シリーズは全4巻だが、『万能鑑定士Q』シリーズとのコラボレーション『探偵の鑑定』2巻でストーリーは完結。いつだって正義を貫こうと突っ走る玲奈にハラハラさせられるエンターテインメント。