動物になって生きてみた
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発行者による作品情報
アナグマとなって森で眠り、アカシカとなって猟犬に追われ、カワウソとなって川にもぐり、キツネとなって都会のゴミを漁り、アマツバメとなって旅をする。動物の目から世界を生きた、感動的ドキュメント。
APPLE BOOKSのレビュー
奇想天外でユニークな研究に贈られるイグノーベル賞生物学賞を受賞したドキュメンタリー「動物になって生きてみた」。野生動物として生きるとはどういうことかという疑問から、著者自らが、実際に土に穴を掘ったり水に潜ったり、ミミズや魚を獲って食べるなど、アナグマ、カワウソ、キツネといった、さまざまな領域に生息する生き物と同じ環境で暮らした経験を綴る。獣医師、法廷弁護士の資格を持つチャールズ・フォスターは、進化生物学、考古学、哲学、法律など多彩なテーマについての著作もあり、独創的な研究のスタイルはもちろん、その幅広い知見にも驚かされる。嗅覚や聴覚などが人の何倍も鋭い野生の動物と、まったく同じ世界を感じることは難しいが、それぞれの生物学的特徴や行動習性、性格など、文献からの膨大な知識や体験から得た想像力を駆使して描かれているため、風景や色、匂いが迫力をもって伝わってくる。他に類を見ない自然の描写は、人間中心ではなく生き物の目線に近づいた世界観であり、知的好奇心や探究心が刺激される。