「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた―――「ネコの空中立ち直り反射」という驚くべき謎に迫る
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- ¥1,800
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発行者による作品情報
猫は、獲物をつかまえるために知性が発達させたが、それと同時に、トラブルに巻き込まれてもたやすく抜け出すための重要なスキルをいくつも発達させた。
その中でも一番よく知られているのが、「ネコひねり」「猫の宙返り」、「キャットツイスト」などといろいろな名前で呼ばれてきたテクニックである。猫は高いところから落ちると、最初にどんな姿勢であっても必ず足から着地するという驚きの能力を持っているのだ。また、たった数十センチメートルの高さから落ちても、何分の一秒かで宙返りしてしっかり着地できるのだ。
「ネコひねり問題」とは、猫の空中立ち直り反射を科学的に説明する問題である。人類は大昔から、この愉快な問題に興味をそそられ、数多くの天才が、物理、光学、数学、神経科学、ロボット工学などのアプローチからその謎に迫った。ときには、ヘビやニワトリやウサギの宙返りを調べたりもした。科学者がこの問題を掘り下げれば掘り下げるぶんだけ、愛すべき猫たちの行動に隠された驚きの事実が次々と明らかになった。
本書は、猫を偏愛する物理学者グレゴリー・グバーが、「ネコひねり問題」の謎をひもといていくサイエンス読み物。この難問をめぐる科学者たちの真摯かつ愉快な研究エピソードの数々を紹介する一冊!
また、ニュートン、アインシュタイン、ハッブルなど猫に魅せられた科学者たちの猫愛も紹介する。
APPLE BOOKSのレビュー
なぜネコは、高所から落下しても必ず足から着地できるのか。俗に“ネコひねり”と呼ばれるその現象の謎に迫る、注目のサイエンス読み物。ともすると簡単なトリビアとして片付けられそうなこのテーマを、500ページに迫るボリュームで深掘りしていくユニークな一冊だ。物理や数学的考察はもちろん、宇宙工学や最新のロボティクスまで、解決の切り口は実に多岐にわたる。“ネコひねり”という一見して緩いテーマから大胆に飛躍し、時には横道にそれていくことも厭(いと)わない検証の数々は、眠れる好奇心を刺激する読書体験をもたらしてくれる。著者のグレゴリー・J・グバーは大学教授も務める物理学者であり、何匹ものネコを飼う愛猫家としても知られる人物。本作にはニュートンやアインシュタインら、著者同様にネコに魅せられた著名科学者のエピソードも含まれており、エッセイとしても興味深く読むことができる。学術的探究心と遊び心、そして何よりもネコへの愛に満ちた一冊。本作を読んだ後には、ネコの華麗なる宙返りを見る目が変わるかもしれない。