カール・ラガーフェルド モードと生きて
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- ¥3,400
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発行者による作品情報
2019年に他界したドイツ出身のファッションデザイナー、ラガーフェルド。クロエ、フェンディ、シャネルと名だたるブランドを渡り歩いた彼の創作の源泉にあったものとは。また同時代のライバル、イヴ・サンローランへの思いとは。フランス人ジャーナリストが綴る
APPLE BOOKSのレビュー
フランスの日刊紙ル・モンドの記者が、モード界の頂点に長く君臨し2019年に他界したカール・ラガーフェルドの謎めいた生涯を、本人を含むインタビューを基につづった評伝。白髪のポニーテールに黒いサングラス、高い襟のシャツに指先のない革手袋という独特のスタイルを確立するよりもはるか昔、ドイツのハンブルクでの幼少期から、パリでの修業時代、クロエやフェンディとの契約を経た後に低迷するシャネルの再興を導くなど、伝説的デザイナーの軌跡をたどる。厳格な母親エリーザベトから教えられた価値観、ストイックに仕事に没頭するカールとは対照的に放蕩(ほうとう)の限りを尽くしてエイズで亡くなった最愛のパートナー、ジャック・ドゥ・バシェールへの愛、そして愛憎半ばのライバルであった天才デザイナー、イヴ・サンローランとの確執。オートクチュール、プレタポルテ、ファストファッションというモードの変遷を生き延び、常にトレンドを生み出せたのはなぜなのか? 希代の才人が60年にわたって作り上げた伝説をひもとくと同時に、パリのモード界の裏側を垣間見ることのできる好著。