花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生
-
- ¥2,400
-
- ¥2,400
発行者による作品情報
1920年代、アメリカ南部。オクラホマ州の先住民保留地で20数名が相次いで殺される事件が発生。のちのFBI長官フーヴァーと敏腕捜査官ホワイトが、石油利権と人種問題が複雑に絡む陰謀の真相に迫る。『ロスト・シティZ』の著者が放つ傑作ノンフィクション
APPLE BOOKSのレビュー
映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』の原作など、綿密な取材によるドキュメンタリーを得意とするデイヴィッド・グランによるノンフィクション「花殺し月の殺人──インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」。1920年代、石油の利権により世界有数の裕福な部族となったオクラホマ州の先住民オセージ族が、理不尽に弾圧されていく。いまだ解明されていない部分も多い連続殺人事件の全容が、司法局から派遣された特別捜査官による科学捜査の行く末も踏まえ、アメリカ西部開拓の歴史と共に描かれた渾身のルポルタージュ。供述調書や検死報告書、私立探偵の日誌に至る膨大な資料の調査や緻密な現地取材により、およそ100年前の状況から、当事者たちの細かな人柄までがありありと浮かび上がる。現場に何度も足を運び関係者の孫や親族に聞き込みをし、個人所有の資料などを詳細に調べることで、事件の新たな真相に迫っていく著者の執念にも圧倒される。生きる場を追われた先住民の犠牲や苦労など、歴史から葬られてきたオセージ族の悲劇に切り込んだ意欲作。